【第14話】みかんの品種開発の謎に迫る!ぞなもし

こんにちは!
みかん探偵団、団長の越智(おち)です。

今回も、皆さんから頂いた「みかんの謎・疑問」についての紹介です。

14-1

みかん探偵
「なになに…『みかんと一口に言っても、最近いろんな種類のものが出てきているが、みかんは一体どの方向に向かっているのか?』という疑問ぞなもし。」

この「疑問」についても、前回同様「みかん研究所」の主任研究員、薬師寺さんにお話しを伺って来ていますのでどうぞ!

14-2

みかん探偵
「愛媛には『みかん』といってもたくさんの柑橘があるんじゃが、これはどうやって開発してるんぞなもし?」
薬師寺さん
「愛媛における柑橘の新品種開発は、この「みかん研究所」(農林水産研究所 果樹研究センター)で行ってるんですよ。

まず、元となる柑橘の花に他の品種の『花粉』をつけ、そこからできた果実の『種』を取り出し、その種を育てて行きます。

同じ果実から出てきたひとつひとつの種は全く同じものではなく、言わば『兄弟』のようなもの。それぞれが違う特徴を持っている事もあるので、その中から優れたものを選抜し、『接ぎ木』によって育成していきます。

選抜の基準についてですが、近年の消費者の嗜好に合わせて『皮が剥きやすい』『房ごと食べられる』『糖度が高い』『酸味が少ない』『種が少ない』『食感が良い』(果肉と房の硬さのバランスが良い)などがあります。」

14-3

薬師寺さん
「毎年1000本程度植えた中から5〜20系統がまず選抜され、その後さらに2次選抜で1〜3系統に絞られます。(1系統も残らない年もあります)

そのような厳しい競争を打ち勝ってきたものだけが品種登録されるんです。」
みかん探偵
「1000本も植えて1〜3本だけ…!?ものすごい競争率ぞなもし!」
薬師寺さん
「そんな狭き門をくぐりぬけて品種登録され、今では毎年TV等でも取り上げられる、話題の柑橘『媛まどんな』(愛媛果試28号)ですが、私が研究所で初めてこの柑橘に出会った時、今まで食べた事のないその食感に、とても感動したものです。

ただ『媛まどんな』が生まれた当時、食味は良かったものの糖度がそこまで高く無い事もあって、あまり人気が無かったんです。

近年ようやくその良さが認められるようになってきましたが、開発当初の事を思うと、とても嬉しいですね。」

14-4

みかん探偵
「みかん研究所の人たちは、新品種のみかんにとっては、まるで「親」みたいなもんぞなもし!」

そうですね。みかん研究所のみなさんが開発し、農家のみなさんが育ててくれた「箱入り娘」ならぬ「箱入りみかん」、大事に味わっていきたいですね!

目次